ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。参加された皆様、お疲れさまでした。このような機会を与えてくださったMazKenさんありがとうございました。
すべての写真は OLYMPUS PEN-FT + Ai AF Zoom NIKKOR ED 80-200mm F2.8 での撮影となっています。エム・ユー・ケイ カメラサービス(muk camera service)の小菅さんにはこのカメラとレンズを繋ぐために相談に乗っていただきました。ありがとうございます。
待つ
自宅近くの亀戸天神で撮影したアオサギです。アオサギは動きを止めじっと水面をにらみ続けて獲物を待ちます。今年の2月ペンスケッチ展にどんな方針で臨むか悩んでいた頃、PENとNIKKORの組み合わせをテストしていて撮影しました。これが撮影できたので今回は「鳥」で行こうと決めました。
にらまれる
東京都葛飾区にある水元公園で撮影したヒドリガモです。カメラを構えてヒドリガモのカップルに近づいてくあやしいおっさんがいるので、オスがメスの前に立ちはだかりにらんでいます。 鳥を撮ると決めたものの200㎜のレンズ(35㎜判換算280㎜)程度では鳥を撮影するには焦点距離が短すぎて大きく鳥を捉えることはできません。
撮影しながら鳥の注意が自分から外れるとそっと近づきます。気配を感じて鳥がこちらに注目したら視線を外して動きを止めます。鳥の緊張がゆるんだら撮影をします。これを繰り返して徐々に距離を詰めていきます。不必要な動きをしないためにカメラは顔の前で構えたままです。
この時もこれが限界でした。この後、10センチも動かないうちにヒドリガモは水の中に逃げて行きました。
鳥を大きくとらえることは難しいので構図に工夫をしています。背景を綺麗な青い水面で埋め尽くします。幸い遠くに泳ぐヒドリガモがいたのでのこれを入れて遠景のワンポイントとして絵が間延びしないようにしています。
飛び立つ
東京都葛飾区にある水元公園で撮影したカルガモです。動物を撮影するなら躍動感のある絵を撮りたいと思っていました。この時は水しぶきを上げながら飛び立つ水鳥の一瞬を撮ろうと構えています。カルガモが勢いをつけて水を蹴るのに合わせてシャッターを切りました。正直なところ画面がの4分の1程右にずれていれば・・・、カルガモ自体が右に寄ってしまい右の羽の先端が絵から切れてしまいました。
それでも、白く光る水面の中飛び立つカルガモの絵は躍動感のある絵となりました。
飛ぶ
横浜市にある山下公園で撮影したユリカモメです。鳥を展示するからには飛んでいる絵が欲しいと思いました。わたしの知っている範囲では山下公園だと、すぐ近くで低い位置を数多くのユリカモメが飛んでくれます。ユリカモメは飛び物を撮るには比較的楽な鳥です。
そうは言ってもすぐ近く(3m~8m程度)を飛ぶ鳥にマニュアルフォーカスでピントを合わせながら撮影するのは簡単ではありません。何枚も撮影してようやく撮ることが出来ました。
飛ぶ鳥に合わせてカメラを振りながらピントを合わせ、ピントが合ったと思ったらシャッターを切ります。連射などできないので一回一回を丁寧に撮影します。シャッターを切ることができないことの方が多いです。構図を考えている余裕などありません。それでも思っていた通り青い海の水面を背景に白いユリカモメが飛ぶ様子を撮影することが出来ました。
たたずむ
東京都葛飾区の水元公園で撮影したコサギです。水際を餌を探しながらこちらに向かってくるコサギを見つけました。三脚にカメラをセットして待ちます。コサギの動きが止まるたびにそっとピントを合わせシャッターを切ることを繰り返します。最後にコサギが水際を離れ全身が草の陰から出てきます。水面を少し探った後、頭を上げます。そろそろ飛び立つかなと思いながら構図を整えてシャッターを切りました。
よく見ると冠羽が伸び、胸とおしりの飾り羽が増えています。目のまわりからくちばしにかけての部分が薄く緑がかっています。婚姻色ですね。
既に何度か書いていますが、鳥を撮影するには焦点距離が足りません。構図を工夫することで退屈しない絵を作ることが課題です。これもコサギ自体はそれほど大きく捉えられているわけではありません。下半分は水面になります。カメラの位置を低くして白いコサギと背景の緑が波打つ水面に映り込むようにします。これで絵に奥行き感を持たせます。そして、全体的に暗い背景に白いコサギが浮かび上がるような絵にしています。
いいでしょ!
仕事場近くの公園で撮影したスズメです。木漏れ日の中、タンポポの種を咥えてどうだとばかりに見せつけるスズメ、不思議な絵になりました。
今回は「身近な鳥」をテーマに撮影をしてきたのですが、大型のサギ類、中型のカモ類とユリカモメは撮影できました。身近な鳥と言うにはどうしてもなじみ深い小型の鳥が欲しいところです。
しつこく書いていますが、焦点距離が短いのです。小鳥は何度挑戦しても撮ることが出来ません。ペンスケッチ展までひと月を切ると焦り始めます。毎日昼休みにカメラを持って公園へ出かけスズメやシジュウカラ、ムクドリ、ヒヨドリを探しました。残り2週間というところでようやく撮影できたスズメです。
タンポポの種をくわえているのは出来上がったフィルムを見て初めて気が付きました。
これまで鳥の撮影はデジタルカメラが主体でした。確かにデジタルカメラだともっと楽に撮影はできます。しかし、工夫を重ねて撮影することでフィルムカメラでも鳥の撮影ができました。むしろ気合が入る分、絵としては見ごたえのあるものになったのではないかと思います。
来場者の方からも「かわいい」「綺麗」と言った感想をいただきました。いちばん人気があったのはスズメのようです。ただ、絵の美しさではコサギが、線の美しさと迫力ではアオサギが、飛んでいるユリカモメは撮影の難しさを知っている人から、それぞれ評価していただくことが出来ました。
ペンスケッチ展の参加者からは「ペンでここまでできるんだ」という評価もいただきました。ペンスケッチ展では、カメラの性格からファミリースナップ、旅スナップ、街角スナップが多くなります。一部に風景もありますが、多くはありません。わたし自身が鳥が好きで望遠好きと言うこともありますが、望遠レンズを使った作品は少ないだろうと思い望遠レンズを使った作品を狙いました。
ペンスケッチ展への参加はまだ2回目ですが、最終的に展示して人に見ていただくことを意識して撮影やプリントを考えるようになりました。他の参加者の作品を見てもいろいろと学ぶことが多く、また来年に向けて何かを作り上げていきたいと思います。
最後に、会場でわたし以上にフィルムによる鳥の撮影の難しさについて熱く語るMazKenさんが印象的でした。ありがとうございました。
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