2012/08/15

暗黒ズーム

たまにPLA-CAME Galleryというところに展示をしています。 これは20世紀の最後にフィルムカメラの技術の粋を集めながら今となっては顧みられることのないプラスチッキーなカメラで撮影した写真を展示しようという活動です。

ここでテーマになっているプラカメの定義は次のようになっています。
  1. 20世紀に生産された、外装の大部分がプラスチック
  2. 定価がおおよそ6万円以下
  3. フィルム交換は出来るけど、レンズ交換はできない
  4. 35mmフィルムを使うシャッター速度が任意で選べないコンパクトカメラ
このプラカメの中には良く写るものもありますが、暗黒ズームと揶揄される存在があります。
暗黒ズームの『暗黒』とは、3倍以上のズームを搭載してるために望遠端の開放F値が大きくなっているものを言います。基本的にF9以上、後期の物にはF12以上というとんでもない値になっています。

かつて、カメラを本格的な趣味としていなかったころ、わたしが使っていたカメラも暗黒ズーム機でした。カメラの事をよく知らなかったので当時気にしていなかったのですが、今思えばとんでもないカメラです。


あづい~
PENTAX ESPIO 140M
smc PENTAX ZOOM LENS 38-140mm 1:3.9-12
FUJICOLOR SUPERIA PREMIUM 400
あまりの暑さにロードコーンもくたびれていました。


コサギ
PENTAX ESPIO 140M
smc PENTAX ZOOM LENS 38-140mm 1:3.9-12
FUJICOLOR SUPERIA PREMIUM 400
せっかく望遠があるので使いたいのですが、このカメラは望遠端の開放F値はF12です。ISO400のフィルムを使っても晴天昼間でないと使うことができません。晴天の日、近くの池でコサギを見つけました。


Lの発音はこんな感じ
PENTAX ESPIO 115
PENTAX ZOOM LENS 38-115mm 1:3.9-10.5
FUJICOLOR SUPERIA PREMIUM 400
いかつい顔をしながらLの手本を示す狛犬に会いました。
通常、狛犬は2体で「あ」と「うん」なのですが、ここは2体とも口を開き巻き舌なので「La」と「Lu」だと思いました。
天気の良い日だったので暗黒ズームのテレ端を使うことが出来ました。


イルカの遊具
PENTAX ESPIO 115
PENTAX ZOOM LENS 38-115mm 1:3.9-10.5
FUJICOLOR SUPERIA PREMIUM 400
公園で見かけたイルカの動物遊具、


サビと壁
PENTAX ESPIO 115
PENTAX ZOOM LENS 38-115mm 1:3.9-10.5
FUJICOLOR SUPERIA PREMIUM 400
うまく使えば暗黒ズームは意外と質感の良い描写をします。暗黒ズーム機は当時の技術の粋を集めたもので高機能です。しかし、レンズの暗さは全てをだいなしにします。

ただ、このある意味いびつな暗黒ズーム機は嫌いではないです。


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